リスニングの対策ってどうすればいいですか?
リスニングの対策って音声を聞いていればいいですか?
リスニングが苦手です。
塾講師の私は、こういった類の質問をよくされてきていました。
リスニングは、「正しい方法」で対策・準備をしないといけませんが、正しくできていない学生が一定数いらっしゃいます。
そこで今回は、英検®︎3級のリスニングの問題形式・解答のコツ・学習法をご紹介いたします。
ハイチュウ(=筆者)の経歴(ちょっと自慢)
旧帝国大学に現役合格。18歳にして学習塾で英語の集団授業の講師として、毎年100名以上の学生を指導。
実は大学での専門は英語ではなく数学だったこともあり、AIを実装した英語学習アプリの開発・運用を担当。「理系×指導実績あり」というポジションが私だけだったこともあり、1万語以上の単語データベースと5000問以上の文法問題をオリジナルで作成。おかげで今や、パッと単語や文法問題を見ただけで、「これは〇〇生レベルやな」「これは〇級に受ける人はできんとあかんな」とかが瞬時に判断できるようになってしまった。
英検®︎3級のリスニングの形式・解答のコツ
概要
まずは、英検®︎3級のリスニングの問題形式・問題数・おおよその試験時間・英文が読まれるスピードを確認しましょう。
問題形式、問題数はこちらになります。
問題形式 | 詳細 | 設問数 | 放送回数 | |
第1部 | 会話の応答文選択 | 会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う。 | 10問 | 1回 |
第2部 | 会話の内容一致選択 | 会話の内容に関する質問に答える。 | 10問 | 2回 |
第3部 | 文の内容一致選択 | 短いパッセージの内容に関する質問に答える。 | 10問 | 2回 |
これらの問題を、おおよそ25分かけて解きます。
英文が読み上げられるスピードは、おおよそWPM120~130です。
WPMとは?
1分間に読み上げられる英単語の語数になります。例えばWPM100だと、1分間で100語の英単語が読み上げられるということになります。
内容としては全体的に、身近なことに関する内容が多いです。
ここからは、それぞれの形式について詳しくみていきます。
第1部
問題形式
第1部は、
- 男女2人が
- 身近な出来事や場面に関する会話を
- 「A→B→A→」と続くので
- 2回目のAさんの発話に対するBさんの応答として適切なものを
- イラストを参考にしながら
- 3つの選択肢を聞き取り(問題用紙には記載されていない)
- 適切なものを選ぶ。
- 放送回数は1回で
- 問題数は10問
という問題形式です。
男女二人の関係性は、家族や親子、友達、先生と生徒、店員と客など、さまざまです。
解答のコツ
指示文の放送の間に先読みをする
第1部は、例題の説明などもあり、指示文の放送が長いです。指示文は、過去問と全く同じ放送になりますので、愚直に放送を聞くのではなく、放送の間にイラストや第2部・第3部の選択肢に目を通し、必要であればメモを記しておきましょう。
もちろん、全ての問題の先読みをするほどの時間はないと思うので、自分が苦手とする部分を優先的に先読みするようにしましょう。(個人的には第2部や第3部を優先するのがいいかと思います。)
そもそも、筆記試験中に先読みをするのもアリ?!
そもそも、筆記試験の時間中にリスニングセクションを開き、先読みをするのはルール的にアリなのでしょうか?
これは、アリです。反則ではありません。
ですので、リーディング&ライティングで時間が余る人や、リスニングが苦手な方は、筆記試験を早めに切り上げて、リスニングの先読みに時間を回すという作戦をとってみてもいいかもしれません。
最後のセリフの『疑問詞』に注目する
毎回そうとは限りませんが、Bさんの最後のセリフは「疑問詞から始まる疑問文」であることが多いです。
当然ながら、
- Whenで始まる疑問文→時についての質問→時について話しているセリフを選ぶ
- Whereで始まる疑問文→場所についての質問→場所について話しているセリフを選ぶ
というように、疑問詞さえ聞き取ることができれば解答できるケースがあります。
ですので、疑問詞は聞き逃さないよう、注目して聞いてください。
ただし、全ての問題が疑問詞から始まる疑問文とは限らないので、疑問詞がなくても焦らずに、適切な返答がどれかを考えて、答えましょう。
いずれにせよ、最後のセリフに注目するという点では同じです。
第2部
問題形式
第2部は、
- 男女2人の
- 日常的な
- 2往復の会話を聞き取り、
- その後に流れる
- 会話の内容に関する質問を聞き取り、
- 問題用紙に記載されている4つの選択肢から選ぶ。
- 放送回数は2回で
- 問題数は10問
という問題形式です。
質問のタイプには、
- 日時
- 場所
- 登場人物の行動
など、会話の内容の「一部」について問うものもある一方で、
- 「彼らは何について話しているか」
のような、会話の内容の「全体」について問うものもあります。
解答のコツ
1回目の放送で、『会話の概要』と『質問の内容』を聞き取る
紹介した通り、3級のリスニング第2部は、2回放送になります。
ですのでこの利点を最大限に活用しましょう。
もちろん1回目の放送で答えを見つけ出せるのがベストではありますが、1回目の放送は『会話の概要』と『質問の内容』を聞き取れればOKと割り切っても大丈夫です。
特に質問の内容については、第1部同様、『疑問詞』に注目してください。(疑問詞が含まれていないこともあります。)
2回目の放送で、答えを見つけ出す
1回目の放送で聞き取ったヒントをもとに、2回目の放送で答えを見つけ出してください。
2回目は放送の内容や注目すべき点が明らかになっているはずです。
また、2回目の放送の途中で解答できた場合や1回目の放送で確実に解答できた場合は、選択肢の読み上げや、解答時間(10秒間放送が止まっている時間)は、次の問題の先読みに取り掛かりましょう。
答えがわからなくても引きずらず、次の問題の先読みをする
どうしても、答えがわからなかったり、迷ったりすることは出てくるかと思います。
ただ、一番良くないのは、それを次の問題以降でも引きずり、そちらにもドミノ倒し的に悪い影響を及ぼすことです。
わからなかったのは仕方ないので、当てずっぽうでもよいので解答を決め、切り替えて次の問題の先読みに取り掛かりましょう。
第3部
問題形式
第3部は、
- 1人が
- 35語程度のパッセージを読み上げるので
- その後に流れる
- パッセージの内容に関する質問を聞き取り、
- 問題用紙に記載されている4つの選択肢から選ぶ。
- 放送回数は2回で
- 問題数は10問
という問題形式です。
質問のタイプには、
- 日時
- 場所
- 値段
などの情報が「複数回」登場し、それらを聞き分けるタイプが多いです。
解答のコツ
第3部の解答のコツは、第2部と同じく
- 1回目の放送で、『パッセージの概要』と『質問の内容』を聞き取る
- 2回目の放送で、答えを見つけ出す
- 答えがわからなくても引きずらず、次の問題の先読みをする
ですので、詳細は割愛します。
学習方法
おすすめしない学習法
「おすすめの学習法」を紹介する前にまず、「おすすめしない学習法」をご紹介します。
それは、
1問1問放送を聞き直しながら解く
という学習法です。
一見、丁寧に取り組んでいて良さそうに見えますが、ある練習ができないため、おすすめしません。
それは、「先読みの練習」です。
3級に限らず、英検®︎のリスニングは「音声が流れ始めるまでの準備」が勝負になるため、その「準備」の訓練が大切になります。
1問1問解こうとすると、次の問題の先読みをする練習ができないため、おすすめできないということです。
おすすめの学習法
それでは、「おすすめの学習法」になりますが、これは
過去問などをまとまった問題セットで解く
方法です。
これなら、先読みの練習ができますよね。
ちなみに、1セット全てを解き終わり、答え合わせをしてからであれば、分からなかった問題を何度も聞き直すのはOKです。
まとめ&塾講師の雑感
リスニングの試験は、「準備」が非常に大切です。
この「準備」というのは、「どんな試験かを事前に把握する『準備』」と「問題文の先読みをして何を問われるかを予測する『準備』」の2つの『準備』があります。
逆にこれらの準備ができていると、放送の一語一語を完全に聞き取ることができなくても、問題を解くことができます。
ですので、演習の際は、これらの『準備』の練習を意識して取り組みましょう。
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