「英検の英作文が2問に増えるって聞いたけれど、なにそれ?」
「どんな問題形式か、わからない・・・」
「採点の観点は?英作文と少し違うらしいけれど・・・」
2024年の問題リニューアルにより、英検®︎準2級に、Eメールの返信ライティングが新たに出題されます。
過去に準2級を受験されたことがある人も、この問題は新しく解くことになります。
そしてこちらも従来の英作文同様、合否を大きく左右する、重要な単元になります。
今回はそんなEメールの返信ライティングの問題形式や採点の観点などをご紹介いたします。
ハイチュウ(=筆者)の経歴(ちょっと自慢)
旧帝国大学に現役合格。18歳にして学習塾で英語の集団授業の講師として、毎年100名以上の学生を指導。
実は大学での専門は英語ではなく数学だったこともあり、AIを実装した英語学習アプリの開発・運用を担当。「理系×指導実績あり」というポジションが私だけだったこともあり、1万語以上の単語データベースと5000問以上の文法問題をオリジナルで作成。おかげで今や、パッと単語や文法問題を見ただけで、「これは〇〇生レベルやな」「これは〇級に受ける人はできんとあかんな」とかが瞬時に判断できるようになってしまった。
英作文の問題形式・採点ポイント
問題形式
それでは英作文の問題形式をご紹介します。
まずは、例題を見てみましょう。
<例題>
- あなたは,外国人の友達(Paul)から以下のEメールで質問を受け取りました。この質問にわかりやすく答える返信メールを,[ ]に英文で書きなさい。
- あなたが書く返信メールの中で,PaulのEメール文中の下線部について,あなたがより理解を深めるために,下線部の特徴を問う具体的な質問を2つしなさい。
- あなたが書く返信メールの中で[ ]に書く英文の語数の目安は,40語~50語です。
- 解答欄の外に書かれたものは採点されません。
- 解答がPaulのEメールに対応していないと判断された場合は,0点と採点されることがあります。PaulのEメールの内容をよく読んでから答えてください。
- [ ]の下のBest wishes,の後にあなたの名前を書く必要はありません。
Hi,
Thank you for your e-mail.
Guess what! I’ve started planting vegetables in my backyard at home. I hoped to grow apples, but my mom said our yard is too small for an apple tree. She advised planting vegetables instead. I’ll give you some of my vegetables once they’re ready to harvest. Planting vegetables is enjoyable, but it’s also a lot of work. I have to water them each day. Do you think more people will start growing vegetables at home in the future?
Your friend,
Paul.
Hi, Paul!
Thank you for your e-mail.
解答欄に記入しなさい。
Best wishes,
解答例
That’s wonderful! What kinds of vegetables are you growing in your garden? Have you faced any challenges with pests or diseases? I believe more people will start growing vegetables at home. With a focus on healthy eating and sustainability, home gardening will likely become more popular.
提示された英文のEメールを読み、以下の要件を満たす返信を書きます。
<要件>
- 下線部の特徴を問う具体的な質問を2つ書く
- Eメールないの質問に対する解答とその理由や例を書く
- 語数の目安は40~50語
相手からのメールの内容は知り合いなどからの日常的な手紙で、80語程度とされております。
解答時間に関しては、リーディングとの兼ね合いにもよりますが、15分程度が目安になります。
採点時の3つの観点
英検®︎準2級のEメール問題は、3つの観点より採点されます。
3つの観点については後ほど詳しくご紹介しますが、簡単に説明すると、英作文の4つの観点から構成を除いた「内容」「語彙」「文法」3つの観点になります。
それぞれの観点の配点は4点満点で、4×3 =12点満点という具合で採点されます。
3級のEメール問題は3点×3観点=9点満点でしたが、準2級は4点×3観点=12点満点になります。
それがCSEスコアに換算される仕組みになっております。
では、3つの観点を詳しくご紹介します。
内容
1つ目の観点は、
内容:課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか
です。
要するに、与えられた質問に対して適切に答えているかどうかということです。
例えば、「夏休みにどこにいきたいですか?」という質問に対して、「去年の冬休みに〇〇した!」と答えてしまうと、たとえそれがどれだけ上手に書けていたとしても、得点にはならず、場合によっては0点にされる可能性もございます。
今のは極端な例ではありましたが、問題文をよく読み、質問と自分の英作文の内容がキャッチボールになるように注意して心がけましょう。
「構成」はありません!
英作文には、
構成:英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
という観点がありましたが、Eメールにはありません。
語彙
2つ目の観点は、
語彙:課題にふさわしい語彙を正しく使えているか
です。
スペルが正しいか、文頭や固有名詞の初めの文字を大文字にしているかなどを見られます。
文法
3つ目の観点は、
文法:文法的に正しい英文が書けているかどうか
です。
こちらは文字通り、文法的に正しく書けているかどうかを見られます。
語数が増えていることもあり、準2級を受験される方でも文法ミスが散見されることが多いので、見直しを通してミスに気づき、減らせるようにしていきましょう。
対策。の前に注意すべき点
問題形式と採点の観点がわかったところで、ここからは対策法をご紹介したいのですがその前に、対策において注意していただきたい点をご紹介させてください。
それは、
正しい方法で練習をする
ということです。
どういうことかというと、
ライティングはリーディングやリスニングなどとは異なり、無数に答えが存在します。
ですので、特に独学で勉強する場合、間違った方法で勉強すると、変なクセがついてしまい、むしろ逆効果になってしまうことがあります。
特に、
- 単語をまだ十分に覚えていない
- 文法を十分に覚えていない
- 『型』を理解していない(『型』については、こちらの記事で紹介しております)
場合は、これらの学習を終わらせてから、ライティングに取りかかりましょう。
ライティングの練習に取り掛かる場合は、
- 慣れるまでは時間無制限で解く(無制限で書けなければ、制限時間内に書けるわけがないため)
- 時間無制限で解く場合は、わからない単語や文法を調べてもOK
- 過去問演習の際は、必ず制限時間を設け、延長しない。
- 先生に、採点してもらう。
を意識しましょう。
あとは、書いてみて採点してもらう。また書いてみて採点してもらう・・・の繰り返しです。書けば書くほど上達しますが、まとめて書いてもあまり上達しないので、「書く→採点」を繰り返すようにしましょう。
まとめ&塾講師の雑感
2024年のリニューアルで新たに追加された、Eメールの返信ライティングについて、お分かりいただけたでしょうか。
こちらの問題はもう一つの英作文の問題と同様、合否を大きく左右する重要な問題になります。
例題と解答をこちらの記事で公開しているので、ぜひご覧になって、練習に取り組んでください。
記事の途中で少し触れた、『型』についても、↑の記事で紹介しております。
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