英検®︎準2級を受験しようと思うのだけれど、長文対策はどうしたらいいの?
ざっくりとした質問ではありますが、こういった類の質問をされることはしばしばございます。
たしかに、英検®︎4級や3級にも長文問題はございますが、準2級以降からは語数も増え、文章や設問の質も高くなるため、より本格的な準備と対策が必要になります。
そこで今回は、
- 英検®︎準2級にはどのような長文問題が出題されるのか
- どのような勉強をしなければならないのか
- おすすめの勉強法・教材
をわかりやすくまとめて説明していきたいと思います。
ハイチュウ(=筆者)の経歴(ちょっと自慢)
旧帝国大学に現役合格。18歳にして学習塾で英語の集団授業の講師として、毎年100名以上の学生を指導。
実は大学での専門は英語ではなく数学だったこともあり、AIを実装した英語学習アプリの開発・運用を担当。「理系×指導実績あり」というポジションが私だけだったこともあり、1万語以上の単語データベースと5000問以上の文法問題をオリジナルで作成。おかげで今や、パッと単語や文法問題を見ただけで、「これは〇〇生レベルやな」「これは〇級に受ける人はできんとあかんな」とかが瞬時に判断できるようになってしまった。
長文問題の形式
形式の概要
まずは、英検®︎3級にはどのような問題形式かをご紹介します。
大問3 | 設問数 | 文章の語数 | 文章の種類 |
3-A | 2問 | 150語程度 | 物語文 |
4-A | 3問 | 200語程度 | Eメール |
4-B | 4問 | 300語程度 | 説明文 |
合計 | 9問 | 650語程度 | – |
まず、英検®︎準2級には3題の長文が出題され、設問は2+3+4=9問出題されます。
これらを合計で25~30分程度で解きたいです。
3級との違い
長文問題は英検®︎3級にも登場しますが、それとの違いについてみてみましょう。
3級と比べると、
- 文章の数(3題)は変わらず
- 設問数(9問)は1問減り
- 語数は合計で620語程度→650語程度に増加
と、語数はさほど変わりませんし、設問数はむしろ減っております。
しかし、文章の質も設問の質も共に高くなっております。
実際に、3級の長文は合計で20分程度で解くものですが、準2級は先ほども申し上げた通り25~30分程度が目安となり、時間をかける必要があります。
また、
3級は掲示物や手紙など、文章全体の中からヒントやポイントを発見し、そこを理解できれば解ける問題が多かった一方で、
準2級はそれらは物語文やEメールに変わり、ポイントではなく文脈を理解しなければ解けない問題が登場してきます。
ですので、準2級の長文問題は3級以上に深い理解を求められるということになります。
WPMについて
『WPM』という指標をご存知でしょうか?
これは、「Word Per Minutes」の頭文字をとったもので、「1分間で何語の英単語を読めるか」を表します。
例えば、「WPM100の受験者は、200語の長文を読むのに2分を要する」といった具合です。
WPMについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
では、英検®︎準2級に必要なWPMですが、およそ120程度だと思っておいてください。
3級に必要なWPMが90なのですが、多くの学習者にとってWPM100くらいが一つの大きな壁で、伸び悩む方が少なくありません。
しかし、準2級合格にはこれは必ず越えなければならない壁と言えるでしょう。
勉強法
そもそも長文対策をする前に
では、長文対策のための勉強法を紹介します!
・・・の前に、勉強するステージに入っているかを確認する必要がございます。
以下の項目を確認してみてください。
- 準2級に登場する単語の7割以上は覚えている
- 発展内容も含めた中学文法のほとんどを習得している
これは英語でなく日本語でも当然ですが、
- 単語がわからない人は、文章は読めません。
- 1文を正しく読めない人は、文章は読めません。
たまに、「長文を読めません」という相談を学生からされますが、彼らの大半は単語や文法の基礎が定着しておりません。
にもかかわらず、できるはずもない長文を解いてみて、「解けない→長文に対して苦手意識を抱く」という悪循環が生まれてしまいます。
ですので、単語と文法を学習してから長文を読み始めてほしいということになります。
ちなみに、準2級の長文対策は2ヶ月以上はほしいところですので、そこから逆算して単語と文法の定着に取り組みたいところです。
勉強法
単語や文法の基礎が定着すれば、いよいよ長文対策に取り掛かりましょう。
ただし、やみくもに問題を解けばよいというわけではございません。
『正しい読み方・解き方』を理解する
これはどの級・英検®︎以外の各種試験、どの長文問題においても言えますが、それぞれの長文の形式に合わせた読み方・解き方をしましょう。
英検®︎準2級に関しては、以下のように解いていきましょう。
- 文章のタイトルやメールの件名を確認し、「何の話かの概要」を理解する
- 設問を読み、「何を問われるか」を理解する
- 文章を読みながら、問題を解いていく
1と2がポイントです。
最もNGな解き方は、いきなり「3 文章を読む」から始めることです。
これだと、文章が何の話か・何を問われるかを把握しないままとりあえず読んでいることになり、正答率も落ちますが、結果的に時間もかかってしまいます。
はじめにトピックや方針を掴むことで、文章の内容が頭に入りやすくなり、
注目ポイントを把握することで、問題を解きやすくするということですね。
長文対策に取り組む際は、今ご紹介した『正しい読み方・解き方』を理解して取り組んでください。
時間がかかっても大丈夫ですので、特にはじめは量より質を意識して、正しい解き方を良いクセにしてください。(逆にここで悪い解き方のクセがつくと、取り除くのが大変になります・・・)
おすすめの教材など
おすすめの教材としては、
- 英検®︎準2級の過去問
は言わずもがなおすすめですが、
- 難関高校の入試問題
もおすすめです。
理由は、
- レベル的に妥当
- 文法問題もあるため、文法の確認ができる
- 記述問題もあるため、ライティングの練習にもなる
- (受験者が小・中学生の場合)自身の入試対策にもなる。解ければ自信になる。
が挙げられます。
メリットについて、詳しくはこちらの記事で紹介しているので、ご覧ください。
まとめ・塾講師の雑感
英検®︎準2級からは長文問題が本格的に登場します。
それに対して、「早めに準備をしよう!」としていきなり長文問題や過去問を解いてしまうのはよくないということですね。
単語や文法の基礎が定着していないまま長文を解き、
→ 解けない
→「自分は長文が苦手」という、『長文アレルギー』ができる
という悪循環が生まれてしまいます。
準2級の長文問題は学習の順序ややり方さえ誤らなければ、さほど難しくありません。
今回の記事を参考に、正しい順番・やり方で対策に取り組みましょう。
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