「英検®︎準2級に合格するためには英文法は必要なんですか?」
「英検®︎って単語を覚えれば解けるんじゃないの?」
「英検®︎ってそんなに文法問題ありませんよね?」
塾講師の私は、英検®︎を受験される学生から、これらの類の質問をよくされてきました。
たしかに英検®︎はどの級も、がっつりとした文法問題は多くありませんし、逆に単語の意味を知っていれば解ける問題もあります。
しかし、準2級を受験される方には文法をきっちりとマスターしてほしいと思っております。
今回は、その理由と、どのレベルまで必要なのかをご紹介いたします。
ハイチュウ(=筆者)の経歴(ちょっと自慢)
旧帝国大学に現役合格。18歳にして学習塾で英語の集団授業の講師として、毎年100名以上の学生を指導。
実は大学での専門は英語ではなく数学だったこともあり、AIを実装した英語学習アプリの開発・運用を担当。「理系×指導実績あり」というポジションが私だけだったこともあり、1万語以上の単語データベースと5000問以上の文法問題をオリジナルで作成。おかげで今や、パッと単語や文法問題を見ただけで、「これは〇〇生レベルやな」「これは〇級に受ける人はできんとあかんな」とかが瞬時に判断できるようになってしまった。
そもそも英文法は必要なのか
「そもそも、英検®︎準2級にまでなれば英文法は必要ないのでは?」と思うかもしれません。
確かに、3級まではリーディングの語句空所補充問題で、英文法の問題は出題されていましたが、準2級以降はほとんど出題されず、単語の問題がメインになります。
しかし、それでもなお、英文法の知識は必要であると私は考えます。
それはなぜかというと、ライティングやスピーキングで、英文法の能力が試されているからです。
正しい文法・構造で、自分の意見などを表現できているかが試されています。
すなわち、「4択問題であれば正解できる」文法力では足りなくて、「1から記述・表現できる」文法力が求められているということですね。
英文法はどのくらい必要なのか
そもそも、英検®︎準2級のレベルは?
では次に、英文法はどのくらいのレベルが必要かをご紹介いたします。
英文法に限らず全ての分野において、英検®︎準2級のレベルは「高校中級程度」とされています。
ですので、高校英文法の基礎・標準レベルを学習すればよいということになります。
しかし、高校英文法は・・・
「高校英文法の基礎・標準レベル」と口で言うのは簡単ですが、実は高校英文法というのは線引きが難しいです。
というのも、中学英文法のように
- 1年生で学習する項目
- 2年生で学習する項目
- 3年生で学習する項目
のように学年ごとのカリキュラムは明確に決まっておらず、
- 教科書や参考書の種類・出版社
- 学校の進度
などによって、
- 進める順番
- 進める速さ
- 進める深さ(基礎と標準を1周→発展をもう1周 or 基礎〜発展まで時間をかけて1周で終わらせる)
がかなり変わってきます。
ですので、これは2級には必要だけれど、準2級にはまだ必要ない単元などを学習する可能性などがあるということになります。
おすすめ学習法
では、難易度の線引きが難しい高校文法基礎・標準をどう学習すればよいかをご紹介いたします。
変な線引きをせず、発展内容までやってしまうのもアリ
英検®︎準2級取得を目指す学習者の多くは、ゆくゆくは2級の取得も目指している学習者も多いはずです。
そうすると、2級の先取りの学習として、準2級取得を目指している時点で、高校文法の発展内容まで学習してしまうのは、一つの選択肢になります。
まとめて学習することで、準2級取得時においては時間と労力がかかるというデメリットはある一方で、2級取得時における時間と労力は減るという長期的なメリットはございます。
また、まとめてやってしまうほうが、昔に学習した内容を思い出す作業などが省略できるため、トータル的な時間と労力は減るかと思います。
幸い、英文法の能力が問われるのはライティングとスピーキングがほとんどのため、どの文法表現を使うかを自分が主導権を持って判断することができます。
準2級受験時に多少の穴は残っていたとしても何とかできるため、一気に高校文法を網羅してしまうという選択肢は悪くないのではと思います。
中学文法の発展から取り組むのもアリ
また、特に中学生におすすめしたい学習法は、中学文法の発展内容から取り組むという方法です。
準2級のレベルは高校内容のため高校文法がメインにはなりますが、近年の中学生向けの参考書や問題集は、高校内容を先取りした発展内容を含んでいるものも増えてきております。(ただし教科書はそうでもないです・・・)
ですので、少し難しめの中学生向けの文法書・問題集を手に取り、発展内容まで完璧に習得するという方法もあります。
メリットとしては、
- 発展内容は準2級レベルと一致し、2級以上にレベルがはみ出すことはほとんどない
- 単語レベルが高くない(中学レベル)ため、単語に気を取られずに済む
- 高校文法の初めに学習する「品詞・文型」などは独特の単元でかつ、挫折する学習者が多い
などがございます。
ちなみにデメリットとしては、
- あくまで中学内容に毛が生えた程度のため、2級取得時はかなり勉強が必要
があります。
まとめ&塾講師の雑感
英文法は確かに準2級でも必要な単元ではありますが、単語や長文読解などと比べれば序列が下がるのは事実です。
ですので、無駄のないように学習したいところになります。
また、学習者が最終的に何級まで取得を目指したいかによっても、学習法は変わってくるかと思います。
参考までに、
- 準2級取れればOK→薄めの高校文法書
- 2級まで取得したい中学生→発展内容が多く掲載された中学文法書
- 2級まで取得したい高校生以上→高校文法書(基礎標準+発展の2冊 or 分厚めのを1冊)
- 準1級や1級を取得したい→高校文法書(分厚めのを1冊)
をそれぞれおすすめいたします。
自身の最終目標に合わせて、最適な学習法をとってほしいと思います。
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