みなさんは、ライティングの見直しはされていますか?
と聞かれたら、
「もちろん、しているよ!」
と答える方が多いでしょう。
それでは、英作文の見直しはどの観点でされていますか?
と聞かれたら、
「ど、どの観点・・・?」
と返答に困る方もいるかもしれません。
ライティングはざっくり全体的に見直しをするのではなく、観点ごとにポイントを絞って見直しをすることが効果的なのです。
今回はそれをする理由と、見直しの観点をご紹介いたします。
ハイチュウ(=筆者)の経歴(ちょっと自慢)
旧帝国大学に現役合格。18歳にして学習塾で英語の集団授業の講師として、毎年100名以上の学生を指導。
実は大学での専門は英語ではなく数学だったこともあり、AIを実装した英語学習アプリの開発・運用を担当。「理系×指導実績あり」というポジションが私だけだったこともあり、1万語以上の単語データベースと5000問以上の文法問題をオリジナルで作成。おかげで今や、パッと単語や文法問題を見ただけで、「これは〇〇生レベルやな」「これは〇級に受ける人はできんとあかんな」とかが瞬時に判断できるようになってしまった。
見直しチェックリストが必要な理由
そもそも、見直しチェックリストはなぜ必要なのでしょうか?
そんなリストを設けず、ただ見直しするだけではいけないのでしょうか?
「全体的に見直し」はNG
見直しの方法としてみんなやってしまいがちだけれども良くないのが、
- 全体的に間違いがないかを見直しをする
ことです。
何が良くないのかというと、「見直しのポイント」が複数ある&不明瞭なため、見直しをしても見落とす可能性が高いからです。
後ほど詳しくご紹介しますが、見直しのポイントには
- 問いに適切に答えているか
- 関係のない内容が含まれていないか
- 動詞の活用が正しいか
- 大文字・小文字ピリオド・カンマ
- 冠詞or複数形を正しく使えているか
などがございます。(他にもたくさんあります)
これらの多数の観点を同時に見直しをすることは可能でしょうか。
かなり難しいと思います。
「見直しのポイント」ごとに見直しをしよう
そうするよりも、
- 「問いに適切に答えているか」の見直し
- 「関係のない内容が含まれていないか」の見直し
- 「動詞の活用が正しいか」の見直し
- 「大文字・小文字ピリオド・カンマ」の見直し
- 「冠詞or複数形を正しく使えているか」の見直し
のように、「1回の見直し:1つの観点」を5周見直すほうが、精度も上がるうえ、最終的にかかる時間もこちらの方が早いはずです。
もちろん、見直しの観点は今回ご紹介した5点以外にもたくさんあり、かつ、本番は制限時間が無限ではないことから、すべての観点において1周1周見直しをすることは不可能です。
ですので、
- 見直しをする観点を事前に絞っておく
- 各観点について見直しをする順番を決めておく
必要がございます。
今回ご紹介した、「見直しチェックリスト」を参考に、
- 自分がよくするミス
- そのミスの減点具合
- ミスを修正した場合、英作文全体に与える影響度(影響度が高いほど、修正箇所も増えるため、時間がかかるので、早めに見直しをしておく方が良い)
をもとに優先順位を立てた、「自分オリジナルの見直しチェックリスト」を用意しておき、それを元に見直ししていただければと思います。
見直しのチェックリスト
それでは、見直しのチェックリストの例をご紹介いたします。
①問いに適切に答えているか
問われた内容に対して、適切かつ明確に答えているかを改めて確認しましょう。
さすがに、例えば「好きな季節」を聞かれて「好きな食べ物」を答える人はいないと思います。
しかし、例えば「好きな季節」を聞かれて「スキーが好き」や「今度の夏の予定」などだけを答え、どの季節が好きかを明確に答えていない解答は散見されます。
このことによる減点は大きい(場合によっては0点になることも)ですし、修正をする場合英作文全体を修正しなければならない可能性が高いため、早めに確認するようにしましょう。
②関係のない内容が含まれていないか
英作文において大切なことは、
- 必要な情報を書く
ことは言うまでもないですが、
- 必要でない情報は書かない
ことも同じくらい大切です。
必要な情報が十分に書かれていても、必要でない情報が含まれていると減点される可能性はあります。
特に上位級になり語数が増えてくると、話が脱線したり、足りない語数を埋めようとして必要ない情報が入ってしまうことがあります。
「足りない情報はないか」だけでなく、「ムダな情報はないか」も見直しの際に確認するようにしましょう。
③動詞の活用が正しいか
動詞の活用は、ミスの定番の一つになります。
一つ一つのミスによる減点はさほど大きくはありませが、「塵も積もれば山となる」と言われるように、ミスが続くと大きな減点になってしまいます。
また、この類のミスは、一度どこかでミスをするとそれが連鎖して以降の動詞にも響くケースが多いです。
実際に書いているときには気付けないこともあるかと思うので、書き終わってから見直す際に、
- 正しい時制で書けているか
- 三人称単数現在形のs・esをつけているか
- 受動態は正しく書けているか
など、文の幹となる「動詞」の活用は必ず確認するようにしましょう。
また、活用からは話が少しそれますが、
- そもそも英文に動詞がない
- 一つの英文に動詞が2つ以上登場している(接続詞などを正しく用いていればもちろんOK)
という観点についても、確認するようにしましょう。
④大文字・小文字&ピリオド・カンマ
- 文頭の大文字
- 文末のピリオド
- 適切な位置でのカンマ
- 固有名詞や、「I:私は(が)」の大文字
も、もう一度確認するようにしましょう。
ルール自体は英語を初めて習うタイミングで学習するかと思いますが、いざライティングになったときに、忘れてしまうことがあります。
一つ一つの減点は大きくはありませんが、ミスが続くと減点も大きくなりますし、何よりもったいないので、確認するようにしましょう。
時間に余裕があるのであれば、
- 大文字・小文字の「文字」の見直し
- ピリオド・カンマなどの「記号」の見直し
に「テーマ」を分けて、合計2周見直しするようにしましょう。
また、字の丁寧さ(読みづらい字はないか等)も確認し、時間が許せば少しでも読みづらい字は書き直すようにしましょう。
⑤冠詞or複数形を正しく使えているか
加算名詞には、
- a /an
- the
- 複数形
のいずれかの形にします。
これらを正しく使えているかを確認していただきたいです。
ただし、まだ英語に慣れきっていない方であれば、「これはaをつける方がいい?複数形にする方がいい?」などで迷うことはあるかもしれません。
これに関しては、間違えていても構いません。(完璧に使いこなすのは難しいので)
ただし最もよくないのが、「aもつけず、複数形にもしていない」形で書くことです。
迷ったとしてもどちらかの形にはするようにしましょう。
また、指示語に関しても、例えば
- 「it」で指しているものは、単数名詞か
- 「they」で指しているものは、複数名詞か
など、指示語と単数・複数の関係性も確認するようにしましょう。
5選から漏れた見直しリスト
それでは、ミスの頻度や減点の度合いなどを考慮した影響で、先ほどご紹介した5つの見直しチェックリストには入らなかった見直しチェックリストを箇条書きでご紹介します。
- 一文一文訳しても、意味的におかしい部分がないか
- 文章全体を通して、矛盾する部分やつながりがおかしい部分がないか
- つなぎ語(「First / Second」や「for example」、「because」など)を適切に使用しているか
- スペルミスがないか
- きれいな字で書けているか、読みにくい字はないか
- 語と語、文と文の間に適度なスペースがあるか
- 語数は適切か
これらも時間が許す限りは、見直しをしてほしいです。
「自分はこのミスをよくする!」という項目から優先的に、見直しをしてほしいです。
まとめ&塾講師の雑感
英作文では「ミスをどれだけ減らすか」が一つのカギになっております。
しかし、「ミスを防ごう!」と心がけても、誰でもミスはしてしまうものです。
ですので、
- 「ミスを防ごう!」と心がける
よりも
- ミスを未然に防ぐ対策(「下書きをする」など)をとる
- ミスを見つけるための対策をとる
のほうがより効果的な対策になります。
今回はミスを見つけるための対策として、「見直しのチェックリスト」をご紹介しました。
このリストを参考に、ぜひ自分オリジナルの「見直しのチェックリスト」を作成し、自身のライティングで活用させてください。
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