みなさんは、『WPM』という指標をご存知でしょうか?
英語を学習するうえでは、知っておいてほしい指標になります。
今回はその『WPM』とは何かを紹介したうえで、
各英検®︎級においてどれほどのWPMを保持しておくべきか
をご紹介いたします。
「WPMって初めて聞いた」
という方も、
「WPMの意味は知っているけれど、どれくらいが目安なの?」
という方も、ぜひ読んでみてください。
ハイチュウ(=筆者)の経歴(ちょっと自慢)
旧帝国大学に現役合格。18歳にして学習塾で英語の集団授業の講師として、毎年100名以上の学生を指導。
実は大学での専門は英語ではなく数学だったこともあり、AIを実装した英語学習アプリの開発・運用を担当。「理系×指導実績あり」というポジションが私だけだったこともあり、1万語以上の単語データベースと5000問以上の文法問題をオリジナルで作成。おかげで今や、パッと単語や文法問題を見ただけで、「これは〇〇生レベルやな」「これは〇級に受ける人はできんとあかんな」とかが瞬時に判断できるようになってしまった。
WPMについて
WPMとは?
WPMとは、「Word Per Minutes」の頭文字をとったもので、「1分間で何語の英単語を読めるか」を表します。
例えば、「WPM100の受験者は、200語の長文を読むのに2分を要する」といった具合です。
WPMがわかれば時間配分がわかる!
自分のWPMがいくつかをわかっていれば、試験における時間配分を決めることができるようになります。
例えば、WPM120の人が
- 300語
- 設問は4問
- 制限時間7分
の長文問題で解くとします。
長文問題を解くのにかかる作業を分類すると、
- (文章を読み始める前に)設問に目を通す時間
- 文章を読む時間
- 設問を解く時間
- (見直し、余りの時間)
に分類できます。
WPMがわかっていると、
- 文章を読む時間
は、
300÷120=2.5分
すなわち2分30秒で文章を一読できるということになります。
- (文章を読み始める前に)設問に目を通す時間
は30秒あれば十分ですので、残りの
- 設問を解く時間
は、7分 – 30秒 – 2分30秒 =4分
ですので、4問の設問を4分、1問あたり1分で解ければ間に合うという計算ができるということになります。
そしてもちろん、WPMが上がれば上がるほど、設問を解く時間や、他の語句補充やライティングに回せる時間が増えるということになります。
WPMは早ければ早いほど、得だということですね。
WPMの計りかた
それでは、自分のWPMの計りかたをご紹介します。(いたってシンプルです)
WPM = 長文の語数 ÷ 読むのにかかった時間[秒] ×60
例えば、300語の長文を2分10秒(= 130秒)で読んだ場合、
WPM = 300÷80×60
≒ 138
ということになります。
※WPMはおおよその値でいいので、小数点以下の値は気にしなくて大丈夫です。
また、この際、
- 長文の題材は何でもOK(語数が記載されている教材だと、語数を数えなくて済む)
- 語数を数える場合は、おおよその数が出ればOK
- 設問は解かず、読むだけでOK
- ただし、内容をきちんと理解しながら読む
- WPMを出してから、設問を解くのは自由
というポイントも押さえておいてください。
WPMを計る頻度
WPMは一日やそこらでは、上がるものではありません。
また、WPMを計る際は設問を解きながら文章を読めなくなるため、過去問演習の際には不適です。
ですので、週に1回程度測れば十分かと思います。
各英検®︎級別、WPMの目安
では、各英検®︎において、どれくらいのWPMがあればいいのかをご紹介します。
WPM | |
英検®︎5・4級 | まだ意識しなくてよい |
英検®︎3級 | 90 |
英検®︎2級 | 120 |
英検®︎2級 | 140 |
英検®︎1級 | 160 |
英検®︎1級 | 200 |
英検®︎リスニング音声 | 130 |
ネイティヴスピーカー の話す速度 | 160-200 |
ネイティヴスピーカー の読む速度 | 200-250 |
ここで注目してほしいのが、英検®︎リスニング音声のWPMが約130程度であるということです。
何が言いたいかというと、WPMが130以上ないと、リスニングの音声についていけないということです。
WPMを上げるにはどうすればいいの?
では最後に、WPMを上げるためにはどうすればよいかをご紹介します。
読めば読むほど上がっていく
WPMを上げるためには、長文をコツコツ(できれば毎日)読んでいきましょう。
特別な勉強法や、急に上げる方法などは残念ながらありません。
毎日の勉強のルーティーンに長文読解を取り入れ、できれば毎日複数題の長文を読みましょう。
ちなみに、設問は必ずしも解かなくても構いません。(たまには解いてほしいですが)
ですので、設問のない文章や、英字ニュース記事なども長文読解の教材になります。
読み方も大切
WPMを上げるためには長文読解の「量」をこなしていく必要があると思ったかもしれません。
たしかに、「量」は大切ですが、「質」に関しても大切になります。
長文を読んでいく中で、
- わからない単語や表現が出てきたら、文章を読み終わった後でもいいので、調べる
- 設問を解いて間違えたら、内容をもう一度確認する
という、当たり前のことを丁寧に取り組むだけではありますが、ないがしろにしないようにしましょう。
また、当然ですが、文章を速く読む「速読」に目がいきすぎて、文章の内容をきっちりと理解する「精読」をおろそかにするのもよくありません。
読むのが速くても、内容が理解できていなければ意味がありません。
最終的には「速・精読」と、速さも精度も高くしてほしいですが、初めのうちは「精読」を確実にしながら、精度を下げることなく少しずつ「速度」を上げるように読むようにしましょう。
まず速度を上げて、そこから速度を下げることなく精度を上げる方法は、おすすめいたしません。

おすすめの教材
では最後に、おすすめの教材を紹介させていただきます。
というのも、速読の教材選びは、意外と難しいのです。
- 英検®︎の過去問はそんなにガンガン使えない
- 入試問題だと自分には難しすぎる
- 長文教材は1冊10題程度しかなく、買うにはもったいない
など、筆者も学生時代同じような悩みを持っていました。
それを解決してくれたのが、こちらの「単語帳」です。
「え、長文問題じゃなくて単語帳?」
と思われたかもしれません。
その通り、こちらは単語帳です。
しかし、ただの単語帳ではなく、長文読解を通して単語を覚えよう!というスタイルの単語帳です。
こちらを使うメリットは、
- 左のページ:英語 右のページ:和訳 と、読みやすい
- 長文の題材が割と面白い
- 単語の確認にもなる
- 1冊に70題もの長文が掲載([必修編]の場合)
などがあります。
逆にデメリットは
- 設問がない
程度ですので、そこは英検®︎の過去問演習などで補えば大丈夫でしょう。
今回紹介しているのは一番スタンダードな[必修編]ですが、[中学編]や[入門編]、[上級編]など様々なシリーズがございますので、ぜひ手に取ってみてください。
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