英検®︎3級を受験しようと思うのだけれど、長文対策はどうしたらいいの?
ざっくりとした質問ではありますが、こういった類の質問をされることはしばしばございます。
こういった質問をされる受験生の多くは、「何がわからないのかわからない」状態なのかもしれません。
そこで今回は、
- 英検®︎3級にはどのような長文問題が出題されるのか
- どのような勉強をしなければならないのか
- おすすめの勉強法・教材
をわかりやすくまとめて説明していきたいと思います。
ハイチュウ(=筆者)の経歴(ちょっと自慢)
旧帝国大学に現役合格。18歳にして学習塾で英語の集団授業の講師として、毎年100名以上の学生を指導。
実は大学での専門は英語ではなく数学だったこともあり、AIを実装した英語学習アプリの開発・運用を担当。「理系×指導実績あり」というポジションが私だけだったこともあり、1万語以上の単語データベースと5000問以上の文法問題をオリジナルで作成。おかげで今や、パッと単語や文法問題を見ただけで、「これは〇〇生レベルやな」「これは〇級に受ける人はできんとあかんな」とかが瞬時に判断できるようになってしまった。
長文問題の形式
形式の概要
まずは、英検®︎3級にはどのような問題形式かをご紹介します。
大問3 | 設問数 | 文章の語数 | 文章の種類 |
3-A | 2問 | 100語程度 | 掲示物・案内 |
3-B | 3問 | 260語程度 | Eメールor手紙 |
3-C | 5問 | 260語程度 | 説明文 |
合計 | 10問 | 620語程度 | – |
まず、英検®︎3級には3題の長文が出題され、設問は2+3+5=10問出題されます。
これらを合計で20分程度で解ききりたいです。
4級との違い
長文問題は英検®︎4級にも登場しますが、それとの違いについてみてみましょう。
4級と比べると、
- 文章の数(3題)は変わらず
- 設問数(10問)は変わらず
- 語数は合計で380語程度→620語程度に増加
と、問題数は変わらないものの語数が大きく増加しております。
また、
4級は文章全体を読まなくても、設問を解く上でヒント・ポイントになる箇所だけ読めば解ける問題が多数でしたが、
3級は文章全体を理解しないと解けない問題
が多くなります。
ですので、語弊を恐れずに表現すると、4級の長文問題は誤魔化しが効く(文章全体の理解は必要ないため)のに対し、3級は真っ向勝負していかないといけないということになります。
WPMについて
『WPM』という指標をご存知でしょうか?
これは、「Word Per Minutes」の頭文字をとったもので、「1分間で何語の英単語を読めるか」を表します。
例えば、「WPM100の受験者は、200語の長文を読むのに2分を要する」といった具合です。
WPMについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
では、英検®︎3級に必要なWPMですが、およそ90程度だと思っておいてください。
ただし、3級の時点ではまだそこまでWPMを意識せず、多少時間をかけてでも確実に理解をしていくことが大切ですので、あくまで参考程度にしていただくだけで十分です。
勉強法
そもそも長文対策をする前に
では、長文対策のための勉強法を紹介します!
・・・の前に、勉強するステージに入っているかを確認する必要がございます。
以下の項目を確認してみてください。
- 3級に登場する単語の7割以上は覚えている
- 中学文法を7割程度は学習している
これは英語でなく日本語でも当然ですが、
- 単語がわからない人は、文章は読めません。
- 1文を正しく読めない人は、文章は読めません。
たまに、「長文を読めません」という相談を学生からされますが、彼らの大半は単語や文法の基礎が定着しておりません。
にもかかわらず、できるはずもない長文を解いてみて、「解けない→長文に対して苦手意識を抱く」という悪循環が生まれてしまいます。
ですので、単語と文法を学習してから長文を読み始めてほしいということになります。
ちなみに、3級の長文対策は1ヶ月程度あれば十分間に合いますので、それまでは単語と文法の定着に取り組んで大丈夫です。
勉強法
単語や文法の基礎が定着すれば、いよいよ長文対策に取り掛かりましょう。
ただし、やみくもに問題を解けばよいというわけではございません。
『正しい読み方・解き方』を理解する
これはどの級・英検®︎以外の各種試験、どの長文問題においても言えますが、それぞれの長文の形式に合わせた読み方・解き方をしましょう。
英検®︎3級に関しては、以下のように解いていきましょう。
- 文章のタイトルを確認し、「何の話かの概要」を理解する
- 設問を読み、「何を問われるか」を理解する
- 文章を読みながら、問題を解いていく
1と2がポイントです。
最もNGな解き方は、いきなり「3 文章を読む」から始めることです。
これだと、文章が何の話か・何を問われるかを把握しないままとりあえず読んでいることになり、正答率も落ちますが、結果的に時間もかかってしまいます。
はじめにトピックや方針を掴むことで、文章の内容が頭に入りやすくなり、
注目ポイントを把握することで、問題を解きやすくするということですね。
長文対策に取り組む際は、今ご紹介した『正しい読み方・解き方』を理解して取り組んでください。
時間がかかっても大丈夫ですので、特にはじめは量より質を意識して、正しい解き方を良いクセにしてください。(逆にここで悪い解き方のクセがつくと、取り除くのが大変になります・・・)
おすすめの教材など
おすすめの教材としては、
- 英検®︎3級の過去問
は言わずもがなおすすめですが、
- 高校入試問題
もおすすめです。
理由は、
- レベル的に妥当
- 文法問題もあるため、文法の確認ができる
- 記述問題もあるため、ライティングの練習にもなる
- (受験者が小・中学生の場合)自身の入試対策にもなる。解ければ自信になる。
が挙げられます。
メリットについて、詳しくはこちらの記事で紹介しているので、ご覧ください。
まとめ・塾講師の雑感
英検®︎3級からは長文問題が本格的に登場します。
それに対して、「早めに準備をしよう!」としていきなり長文問題や過去問を解いてしまうのはよくないということですね。
単語や文法の基礎が定着していないまま長文を解き、
→ 解けない
→「自分は長文が苦手」という、『長文アレルギー』ができる
という悪循環が生まれてしまいます。
3級の長文問題は学習の順序ややり方さえ誤らなければ、さほど難しくありません。
今回の記事を参考に、正しい順番・やり方で対策に取り組みましょう。
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